JRの駅から阪急バスに乗って帰る。一つ手前のバス停で、優待券を見せて、ステップを降りて行くおじいさんの手に、スーパーのビニール袋に入った柿が見えた。ふと「柿って、買うものだったんだ。」と思って、妙な感じがした。ここは街中の住宅地で、柿はスーパーで買うもの、というのはごく当たり前のことだ。でも、車に乗って少し走れば、農村があって、そこでは誰も穫らずに鳥にさえ飽きられたかのような熟れた実が鈴生りの柿の木が1本に限らず目に止まる。そんな風景と、バスから降りて行くおじいさんの手にした柿の実との距離が、その感じの根っこにはある気がした。